VENEZIA

KUSAKI MASARU

​アーティストステートメント

空港からベニス本島へ向かうヴァポレットと呼ばれる乗合船から眺めていると、近づくにつれ徐々に姿を現すベニスの島影は、海に浮かんだ大きな板の上に積み木のブロックを隙間なく並べたように見える。キリスト教会の尖塔以外は概ね同じ高さに造られているので、なおさらそう見えるのかもしれない。サンマルコ広場の鐘楼から島の全景を望むと、おびただしい数の石造りの建築物群を一本の大きな運河が蛇行しながらふたつに分断し、さらにたくさんの小運河がこの島をバラバラに切り刻んでいるかのようだ。地上の建築物の重量を支えるために海底にはおびただしい数の木の杭が打ち込まれているらしい。もしこの島を海から引き抜いて逆さまにしたら巨大な森が出現するという。まるで人の往来は考慮していないかのように思えるこの街では、ゴンドラの船頭の頭を護るために運河に架けられた石の橋はみんな大きく上に湾曲している。今後地球温暖化によって海面が上昇すれば、この都市全体がアドリア海に水没してしまうことになるかもしれないと言われている。

写真にキャプションをつけるため、記憶とgoogleマップで場所を特定しようとしたが、予想していたより難し かった。どうしても特定できなかった場所はUnknownと表記した。

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