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​   つち ぐ も

「土蜘蛛」

​〜千本ゑんま堂狂言より〜

​ 越智 信喜

​アーティストステートメント

ストーリー

病に伏せる主君源頼光(みなもとのらいこう)を家来の渡辺綱(わたなべのつな)・平井保昌(ひらいほうしょう)が見舞う。 日増しに衰弱して行く頼光の病気は、実は土蜘蛛の魔力によるものだった。 綱、保昌が下がったあと、僧に身を変えた土蜘蛛が現われ頼光に襲いかかる。 頼光は名刀「膝丸」で土蜘蛛と戦うが、もう少しのところで取り逃がしてしまう。 騒ぎを聞き駆けつけた綱、保昌の二人は、床に落ちた蜘蛛の血をたどって土蜘蛛​を見つけ出し、勇敢に戦い、見事土蜘蛛を打ち取った。

 

この狂言で、土蜘蛛から撒かれる蜘蛛の糸の一部を財布に入れておくと小銭が貯まる、

災難や盗難よけになると言い伝えられている。

​京都の「四大念佛狂言」と言われているのが、千本ゑんま堂狂言・壬生狂言・神泉苑狂言・嵯峨念佛狂言である。 京都市上京区の千本閻魔堂引接寺(いんじょうじ)、中京区の壬生寺、神泉苑、右京区の嵯峨清涼寺に伝わり、それぞれ登録無形民族文化財や無形重要文化財に指定されている。

​念佛狂言のほとんどは無言劇で、鰐口(わにぐち)と太鼓をたたく“ガンデンデン”の囃子に合わせて演じられる。 しかし、その中でも「千本ゑんま堂狂言」だけが、ほとんどの演目にセリフがあり、念佛狂言の中でも能狂言と一番影響を与え合った関係にあるのではないかと言われている。