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中国
内モンゴル自治区
​1983年

草木 勝

       アーティストステートメント

 

 

中国内モンゴル自治区 1983年

 

初めて中国を訪問したのは、というより初めて外国旅行をしたのは1983年でした。友人の紹介で運良く日中友好団体の写真班として、中国の内モンゴル自治区を訪問することができました。その頃は10年続いた文化革命が1977年にようやく終結し、翌年から始まった鄧小平による改革開放政策によって、中国も徐々に外に向かって開かれつつある頃でした。その頃はまだ自由に観光旅行などはできませんでしたが、少数民族の経済的自立を促す意味で、中国政府が辺境観光の可能性を模索していた時代でもありました。北京から列車やバスを乗り継いで目的の内モンゴルの草原に着くまでに車窓から見た素顔の中国はとても興味深いものでした。当時の中国は経済的にも文字通り発展の途上にあり、人々の生活もずいぶん質素に見えましたが、街をゆく人々の表情には、なにか溌剌とした気分や国としての若さのようなものを感じました。その後、中国には何度か旅行しましたが、最後に中国に行ったのは1989年の上海です。改革開放政策が中国社会に徐々に矛盾を生み出し、結果として北京で天安門事件があった年でした。